住宅ローンを抱えながら、より広い家に住み替えたい、あるいは住環境を変えたいと考えている方は少なくないでしょう。
現在の住宅ローンの残債をどう処理し、新居の購入資金をどのように確保すればいいのか、迷う方もいるかもしれません。
住み替えは人生における大きな決断です。
慎重に計画を立て、最適な方法を選択することが重要です。
今回は、ローンの残っている家を売却して新居を購入する際の、資金計画や手続き、そして最適な方法選びについて解説します。
目次
ローンの残っている家を売って新居を買う方法
住宅ローンの残債処理方法
住宅ローンの残債処理方法は、大きく分けて以下の3つの方法があります。
一括返済
売却益でローンの残債を全額返済する方法です。
売却益がローンの残債を上回る場合(アンダーローン)に適しています。
手続きは比較的シンプルですが、売却益が不足する場合はこの方法は使えません。
住み替えローン
現在の住宅ローンの残債と新居の購入費用をまとめて新たなローンを組む方法です。
売却益がローンの残債を下回る場合(オーバーローン)でも利用できますが、返済能力が厳しく審査されます。
つなぎ融資
既存住宅の売却と新居の購入の間に発生する資金不足を一時的に補うための融資です。
売却が完了するまでの期間、資金を確保できますが、短期間の借入となるため金利が高くなる可能性があります。
住み替えの進め方の3つのタイプ
住み替えの進め方は、大きく3つのタイプに分類されます。
売り先行型
まず現在の家を売却し、その売却益でローンの残債を返済、または住み替えローンを組んでから新居を購入する方法です。
資金計画が立てやすく、売却価格を確実に把握できますが、売却から購入までの期間、仮住まいが必要になる可能性があります。
買い先行型
先に新居を購入し、その後で現在の家を売却する方法です。
新居への入居がスムーズですが、売却までの期間、二重ローンを抱えることになります。
資金力に余裕のある方に向いています。
同時並行型
現在の家の売却活動と新居探しを同時に行い、売買契約と新居の購入をほぼ同時に完了させる方法です。
期間が短縮できますが、売却と購入のタイミングを合わせる必要があり、難易度が高い方法です。
最適な方法の選び方
最適な方法の選び方は、現在のローンの残債額、売却予想価格、自己資金、収入、そしてリスク許容度によって異なります。
アンダーローンの場合は一括返済が最もシンプルです。
オーバーローンの場合は住み替えローンが一般的ですが、返済計画を綿密に立て、無理のない返済額にすることが重要です。
つなぎ融資は、一時的な資金不足を補うための手段として活用を検討しましょう。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、ご自身の状況に最適な方法を選択することが大切です。
新居購入に向けた資金計画と手続き
売却による資金調達方法
まず、現在の家の売却価格を正確に把握することが重要です。
不動産会社に査定を依頼し、価格を検討しましょう。
売却活動は、不動産会社に依頼するケースが一般的ですが、売却活動にかかる費用(仲介手数料など)も考慮に入れなければなりません。
売却益からローンの残債を差し引いた金額が、新居購入資金となります。
買い替えローンの種類と比較
住み替えローンには、いくつかの種類があります。
フラット35Sなどの低金利のローンや、金利変動型、固定金利型など、様々な条件のローンがあります。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、ご自身の返済計画に合ったローンを選びましょう。
金利や返済期間、手数料など、金融機関の条件を比較検討することが重要です。
諸費用と税金対策
新居の購入には、住宅ローン以外にも様々な諸費用がかかります。
仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、火災保険料など、事前に必要な費用を正確に把握し、資金計画に含めることが大切です。
また、不動産売却による譲渡所得に対する税金対策も検討しましょう。
必要に応じて税理士などに相談し、節税対策を行うことも有効です。
まとめ
住宅ローンが残っている家を売却して新居を購入する方法は、一括返済、住み替えローン、つなぎ融資など複数の選択肢があり、進め方としては売り先行型、買い先行型、同時並行型があります。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるので、自身の経済状況やリスク許容度を考慮し、最適な方法を選ぶことが重要です。
不動産会社に相談し、綿密な資金計画を立て、専門家(税理士など)のアドバイスも活用しながら、計画的に住み替えを進めましょう。
無理のない返済計画を立て、後悔のない住み替えを実現してください。